燃料及びオプション

純正ベンジン編

左から、かつて株式会社北野新製造の西日本版純正ベンジン、2002年版純正ベンジン(製造元ジャパンエナジー、販売元ハクキン)、2003年版パッケージです。北野新製の容器ははちべ氏に提供して頂きました。

※カイロ用ベンジンは日なたに放置とかしない限り数年は持ちますが、あまりに古いものは変質していることがありますので使用するのはやめたほうがいいです。
純正ベンジンのハクキンベンジンは2017年に終売になりました。今出てきても結構な年代ものだと思います。特に、発売元が「ハクキンカイロ株式会社」か「株式会社ハクキン」になっているもの以外は、15年以上前の古いものですので使用するのはやめたほうがいいです。
下の写真だと、左のものは10年以上前のもの、真ん中のものは2002年以前製造なので5年以上前のものです。(撮影当時。恐らくこの写真は2007年に撮影したものです)
右のパッケージのもののうち、発売元が「株式会社ハクキン」のものは2003〜2006年製造のもの、「ハクキンカイロ株式会社」のものは2006年以降製造のものです。
これ以外のパッケージのもの(ガラス瓶やアンプルなどのもの)はそれより以前のものです。同様に使用はおすすめできません。

登録商標の謎のおっさんマークの顔の比較です。

キャップです。北野新のものにはおっさんマークの刻印付きです。右の2つのハクキン版には「PAT」とあります。

概説しますと、かつてはハクキンカイロは自社ではベンジンの販売は行わず、東日本はエッキス、西日本は北野新という会社が純正ベンジンの販売権を持っていました。これらの会社はハクキンカイロのロゴとおっさんマーク付きのベンジンを売り、ハクキンカイロに商標使用料を払っていました。販売元に「ハクキンカイロ指定ベンジン本舗」とあるパッケージは、これら2社の製品です。現在では、純正ハクキンベンジンは、ジャパンエナジーが製造し、ハクキンカイロが販売しています。当然ながら、左の北野新製のベンジンのみバーコードが違います。8桁コードがついていました。恐らく、北野新が持っていたコードだと思います。

真ん中が2002年まで流通していたもの、右が2003年版新パッケージです。製造元はどちらもジャパンエナジーです。新パッケージのほうは、トレードマークのおっさんの顔や「ハクキン」の文字がでかく、製品名も「ハクキンカイロ専用ベンジン」になっていて、オイルライターや染み抜きに使えるという表記が極端に小さくなっています。この謎のおっさんの顔は本当に商標登録されています(商標第250530号、第857998号)。ハクキンカイロでは「笑顔マーク」と呼んでいます。
バーコードは同じなので、ハクキンカイロ社内的には同一商品扱いのようです。
商品名まで変更してしまったのは、私の知る限り初めてのような気がします。


左は株式会社北野新製の末期のハクキンベンジン、右はその北野新が現在製造・販売している赤貝ベンジン(ヒラッパ氏に提供していただきました)です。
戦前のハクキンカイロの説明書に、燃料は「赤貝印級の上質のもの」を使えという指定があるのですが、これがその戦前から販売されている由緒正しい赤貝印のベンジンのようです。
石油の世界で貝の印といったら普通はシェルのことなのですが、この赤貝ベンジンもシェルと何か関係あるのかもしれません。
ボトルの細かい形状や注ぎ口の形、封印まで完璧に同じであることが分かります。写真では光っていて分かりませんが、封印には両方ともに北野新のマークがあります。

ボトルの裏です。こちらの写真は相当目をこらさないと分かりませんが、中央部に縦に目盛が打ってあるのが分かります。目盛の打ち方も両方のボトルともに同じです。「7.11.15」という3種類の数字も打ってあるのですが分かるでしょうか。(縮小したらわけがわからなくなってしまいました。すいません)

そしてこれが注ぎ口を上から見たところです。もう縁は切れても、ひっそりとハクキンカイロの商標のおっさんマーク(ハクキンカイロでは、笑顔マークと表記)が赤貝ベンジンを見守っているのが分かります。

バーコード部分(読めないってば..)と、赤貝ベンジンの安全シート(?)です。注ぎ口のところにぶら下げるもののようです。よくコンビニなんかで売っている、おまけ付きのペットボトル飲料みたいなものを想像してください。
ちなみにバーコードは、
北野新のハクキンベンジン 49183016
赤貝ベンジン 4905924511273
です。
何故かこのタグにだけ、北野新の住所が書いてあります。


こちらはガラス瓶です。比較のために、一番右側に、現行ハクキンカイロ専用ベンジンのPETボトルも並べてみました。

左のものが比較的新しい瓶、真ん中のものはそれよりも古いものです。真ん中と左は、ラベルなどの外見は非常に似ていますが、時代的には結構離れているようです。
なお、どちらの瓶にも「ハクキンカイロ株式会社指定」「ハクキン 特製 ベンジン」「火ツキ良ク火口ヲ痛メズ長持チスルシミ抜キ・一般家庭用ニモ最適品 500cc」「製造元 日本鉱業株式会社」とあります。
サボテンのマークとCACTUSのロゴもあります。わずかに違うのは、イラストのカイロが、真ん中のものは11本羽、左のものは9本羽(胴体穴)だということと、真ん中のものにだけ、おっさんの顔の右に「登録済」という文字があるくらいです。
左のものには、瓶にも浮き彫りで「CACTUS」ロゴとサボテンマークがあります。真ん中の物には目盛りがあって、「○正 500cc」という浮き彫りがあります。
真ん中のものは、一般的な薬品瓶にハクキンベンジンのラベルを貼っただけのものです。
一方、左のものは、既に注ぎ口の改良が行われています。現行のものと同じように二重栓になっています。

上から見るともう少しよく分かります。
真ん中のものは、中栓があり、栓と中栓の両方を外してから注ぐ、オーソドックスな瓶です。
この瓶は汎用性があって入手は楽なのですが、注ぐ量の加減が難しく、あふれたり、倒したときに一気に多量のベンジンがあふれて火災の原因になったりするので、何段階かの改良が行われて現在(や、左のような)注ぎ口が細く、あふれにくいものに変更されていることが分かります。真ん中の瓶と左の瓶の間の時代の中間型のようなものも存在します。
なお、左と真ん中のベンジンのキャップにはまだおっさんはいません。


これは、20世紀の終わりごろまで発売されていたと思われる、ハクキンアンプルベンジンのパッケージです。珍しいので紹介します。発売元は大阪のハクキンカイロ指定ベンジン本舗。当時は何故かカイロ本体とベンジンの発売元で異なる屋号を使っていました。古い商品なので、バーコードとかはついてません。それどころか、薬品のアンプルのくせに発売元の住所すら記載がありません。
「ハクキンカイロ株式会社指定」とあります。

※アンプルベンジンの製造は相当昔に終了しています。残っているものが出てきても、変質している可能性がきわめて高いので、カイロ用に使用するのはおすすめしません。

箱の側面には例の謎のおっさんの顔がしっかりとあります。右は「白金」の文字と、孔雀を組み合わせたハクキンカイロの古いマークです。このマークはまだハクキンカイロのサイトには残っていますが、ハクキンカイロ3R等、製品には別のマークがつけられています。

このように中には25ml入りのアンプルが5本、つまり5日分入っています。使い方は箱の裏にあるとおり、アンプルの先を折り、そのままカイロにベンジンを入れるしくみです。アンプル本体は樹脂製です。

アンプル本体です。表には「ハクキン カイロ用ベンジン」という文字が2行で書いてあります。裏には、白金と孔雀のマークがついていますが、写真ではうまくお見せできないのが残念です。
古い製品なので、先端の処理が適当で、どう見ても加熱して溶かしてくっつけてるっぽいのが昭和を感じさせます。
もちろん、アンプルの先の長さは1本1本違います。職人さんが1本1本手で封をしているところが目に浮かぶようです。

アンプル5本入りの箱が12個入っている箱です。ここにもしっかり謎のおっさんマークが....
ベンジンの箱は横に3つ、縦に4つ、計1ダース入ります。
このアンプルベンジン、旅行とかには大変に便利そうに見えますが、やはりアンプル容器が使い捨て、というところが、今のハクキンカイロの方針に合わずに消えていったのかもしれません。

アンプルベンジンのパッケージ3種類です。上2つが西日本版、下が東日本版です。西日本版の2つはどちらが新しいのかは不明です。ただし、もし真ん中のものが古いとすると、最初からついていた「(25ml×5)」という表記をあとからわざわざ抜くとは考えにくいので、おそらく上段が旧ロット、真ん中の「大阪」とあるほうが新ロットだと思います。箱の裏のハクキンカイロの孔雀マークは東日本版のみなぜか黄色いです。画像ではよくわからないかもしれませんが、下の「東京」文字入りのほうは、孔雀マークの孔雀の脚がほんのちょっと小さいです。中身のアンプルにも孔雀マークがあるのですが、これも同様に、下の「東京」文字入りパッケージに入っているもののほうは孔雀の脚がほんのちょっと小さかったです。その違いさえなければ、きっと同じ型で作ってるんだろうと思ってしまうほど、この2種のアンプルベンジンにはまったく差がありませんでした。


大昔のベンジンのラベルです。時代はよく分かりません。この時代はアンプルベンジンを併売していたことが分かります。また、当時のハクキンベンジンの発売会社も分かります。当時は西日本と東日本でハクキンベンジンの発売会社が分かれていました。この時代はエッキスは既に存在せず、東日本では現在の製造会社であるジャパンエナジーが販売を手がけていたことが分かります。(日本鉱業はのちに合併を繰り返してジャパンエナジーになりました)(画像提供 mさん)


ハクキンポケットベンジン(東日本版)の容器です。(現在は販売されていません)
資料提供:さむがりや氏

※この製品は相当古い時代のものです。内容のベンジンが残っていたとしても変質している可能性がありますので使用は避けてください。

「ハクキンポケットベンジン」「100ml」「ハクキンカイロ ベンジン本舗」の文字と、例の謎のおっさんマークがついています。ベンジンの販売元の名に「指定」の文字がないのがアンプルベンジンと違います。価格は不明です。
大きさはほぼ3R本体と同じです。縦、横ともにこの容器のほうが若干大きいくらいです。
模様の孔雀の羽が9本になってますので、点火芯付A発売以降の製品らしいというところまではわかりますが、それ以上はわかりませんでした。
裏面には25mlずつ目盛りがついていて、注ぐときの目印になっています。フタには内フタもあります。詰め替えも可能です。今でも十分使えそうな製品ですが、メーカーとしては詰め替えを推奨するわけにもいかず消えていったのかもしれません。
ど真ん中のラインは裏までついていますが、単にハクキンカイロのフタを表しているだけらしく、それ以上の意味はないようです。
この製品には、パッケージの違う西日本版が存在します。謎のおっさんマーク部分がラベルになっていて、注ぎ口がついています。
西日本と東日本で形状が違う理由は、当時のハクキンベンジンの販売元が、西日本が「北野新」、東日本が「(株)エッキス」と、関連のない別会社だったことに起因するそうです。


ナショナル好き様から西日本版ポケットベンジンを送って頂きましたので、東日本版と併せて画像を公開いたします。左から、東日本版、西日本版、西日本版パッケージです。西日本版は栓のところに醤油差しのようなクチが伸びていて、ここから中身を出すようです。

こちらは裏です。どちらも右端に、25mlおきにしるしがついているのですがちょっとこの写真がよくなくてわかりません。すいません。隣のパッケージの絵で我慢してください。


その他燃料編

Zippo/IMCO/ダイソー ライター用オイル

私の使っている燃料です。
左から順に、Zippoオイル、IMCO純正オイルライター用オイル、ダイソーライター用オイルです。
容量と購入価格は順に、IMCO 125ml,100円。Zippo 133ml,198円。ダイソー120ml,100円でした。
このほかにコールマンホワイトガソリン(1000ml,680円)、ハクキンベンジン(500ml,450円)も使っていますが写真は割愛しました。
IMCO、Zippoの缶は空になるとホワイトガソリン等を詰めて再利用しています。
(※価格等は2004年現在のものです)

こちらはハクキンファンさん提供の、タカビシ化学製ナショナルカイロ用ベンジンゴールド500です。未開封なのですが古いものらしく若干蒸発しています。なお、タカビシ化学は現在は「NTベンジン」という商品名でカイロ用ベンジンを売ってます。そちらのベンジンのほうにもナショナル用として使用可能とパッケージに印刷してあります。

※(タカビシ化学のナショナルカイロ用ベンジンは今でも存在するようです)


参考。コールマンホワイトガソリンです。

右が正規品(日本製)、左が平行輸入品(アメリカ合衆国製)です。何故か日本製のものだけが青く着色されています。
ちなみに製品型番は、正規品が Model 5103-004 (4リットル入り)、平行輸入品が 5103A253 (3.78リットル入り)です。正規品には1リットルのものもあり、パッケージデザインは4リットルのものと同じです。
ハクキンカイロは海外向けサイトでホワイトガソリンも使用可能だとうたっているので、これらの燃料を使う人もいます。ただ、純正に比べるとにおいが強く、もち時間も若干短いようです。右の日本製の青い染料がカイロを痛めないか心配していた人もいましたが、サイト作者が丸まる1シーズン連続使用しても特にトラブルは生じませんでした。


燃料の詰め替え

サイト作者が缶入り燃料からベンジン容器に移し変えるときに使っている方法を紹介します。以前は漏斗を使っていたのですが、思ったよりこぼれる量が多く、もったいない上に引火の危険性も高まるので、今ではビニールチューブを使っています。静電気が若干心配ですが、このチューブは「燃料用」と書いてあったので多分平気なのでしょう。それに、万々万が一引火しても、手で持ってるわけじゃないので比較的安全だと思います。チューブはホームセンターで入手しました。

まず、チューブを燃料缶の奥まで入れてから、先端を指で曲げ、ここからチューブ内に空気が入らないようにします。そしてゆっくりチューブを引き上げると、缶内の燃料も上がってきます。

燃料缶はあらかじめ少し高くしておくのがポイントです。指で空気が入らないよう押さえたまま、チューブの先端をボトルの口に入れます。すると、サイフォンの原理で燃料が容器に移ります。
たぶんそんなに危険じゃないとは思いますが、もし、この方法は危険だっていうツッコミがありましたら教えてください。それと付け加えると、燃料を移すのは必ず野外で、かつ、燃えやすいものから離れたところで行ってください。


入手できた「カイロ用」のベンジンたちです。カイロ用のみなので、赤貝ベンジンとかは入ってません。
左から、ハクキンベンジン、東薬カイロ用ベンジン、カイロ用バラ印ベンジン、NTベンジン、ナショナルベンジンゴールド、カイロ用ベンジン です。


ハクキンベルト

純正オプションのハクキンベルトです。長さは1m近くありますので、よほど太い方でも安心です。マジックテープでつけるようになっています。カイロを置いてある部分がポケットになっていて、内側にカイロを入れる構造になっています。計2個のカイロを入れることができます。1100円と、ほとんどカイロ1個が買えるくらいの価格ですが、十分それ以上に利用価値のあるオプションです。


参考
3号棟住民 さん提供のヒナ人形ハクキン懐炉用ベンジンのパッケージです。
「ハクキン」も「ハクキン懐炉」もハクキンカイロの商標なんですが、この製品がライセンス商品なのかどうかは謎です。
製造元は大阪のヒナ化学工業です。

※カイロ用ベンジンはよほど日の当たるところに放置とかしない限り数年くらいは持ちますが、あまりに古いものは変質していることがありますのでカイロ用に使うのはやめたほうがいいです。


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