資料提供:かもなべ氏
ハクキンカイロの使い捨てカイロです。
1978年にロッテ電子工業が使い捨てカイロを発売すると、それまで灰式カイロを作っていた桐灰化学、マイコール、楠灰製造なども次々と使い捨てに参入しました。
ハクキンカイロも負けずに参入したのですが、1990年代中盤くらいに撤退し、ベンジン式一本で行く決意をしたようです。「環境にやさしい」とかをうたい文句にし始めるには、使い捨てからは撤退する必要性もあったのでしょう。
パッケージに堂々と「ソフトなカイロ 使いすて」などと書いてあるところが時代を感じさせます。この製品自体は、1990年代前半ごろのものと思われます。
JISマークが入っています。ハクキンカイロは日本カイロ工業会非加盟なので、通常のハクキンカイロ製品にはJISマークはつきません。もっとも当時は入ってたのかもしれませんが。恐らく、カイロ工業会加盟他社からのOEM供給品だと思います。製造会社までは特定できませんでしたが、恐らく近畿地方の工場で製造されています。OEMを専門にやってるメーカーとかもあるのでそのへんかもしれません。
これ1枚で20時間持ちます。ごくごく普通の使い捨てカイロですが、パッケージが縦長なのが他社とちょっと違っていたところです(もっとも、当時も今も、縦長パッケージを採用しているメーカーは少数ですがあります)。現代の使い捨てカイロに比べると、サイズや持ち時間は同じです。定価は100円で、これも当時の他社の使い捨てと同じでした。
品名が「使いすてカイロ」になっていますが、これは、JISでの使い捨てカイロの本名がそうなっているからのようです。現代の他社製使い捨てカイロにも同じ表記がありました。
カイロ本体にも「ハクキンカイロSoft ハクキンカイロSoft」とえんえん印字してあったのがこの商品の特徴です。パッケージを切らなくても透けて見えてます。
何年間製造されたのかはちょっとよくわかりません。1983年に、「こはる」とほぼ同時に商標登録されている、というのは分かっています。(ただ、商標は、登録したからすぐ使い始める、というわけでもないし、今まで使っていた商品名をあとから登録出願することもあるので、販売開始期の同定にはあまり使えません)
1993年のハクキン創業70周年キャンペーンのときには現行機種として挙げられているので、その時代まではあったのは確かです。
こはるの説明書には最初期から名前があるようなので、こはるより前か、同時期からあったのではないか、という説も濃厚です。
追記:現社長が新聞社に語ったインタビューによると、ハクキンカイロは1983年に使い捨てに参入したようです。