点火芯付A型は同じ名前で長いこと細かいマイナーチェンジが続いたモデルなので、多くの亜種があります。
このページのほか、高温放熱型点火芯付のページもごらんください。
読者の方から画像データを提供していただきました。火口部分は点火芯がつけられるようになっているそうで、おそらく、点火芯付Aの初期モデルと思われます。
この超初期モデルと末期モデルの間に相当たくさんの細かい違いのあるモデルが大量に存在します。このページの末尾に間のモデルの説明もしてありますのでそちらもごらんください。
通常の点火芯付Aと違い、フタの孔雀の胴体部分も穴になっています。
上部の穴が3つしかなく(通常の点火芯付Aは4つ)、形も異なっています。また穴の部分が大変に少ないのも特徴の一つです。
残念ながら、火口は後からつけかえていて、オリジナルのものは入手できなかったということでした。
ただ、ハクキンカイロA(青函)にもこの上底3穴ロットのものがあったらしい、という指摘も受けました。ひょっとするとこのタイプの本体はもとは青函用で、点火芯付Aに流用されたのかもしれません。
ここから先は別の方に提供していただいた画像です。
このモデルには赤っぽい別珍袋がついていたようです。
フタ。このモデルも、孔雀の胴体部分が穴になっているところが末期モデルと違います。
フタの穴。上の方のものと開け方が違います。
そしてこれが問題の火口です。点火芯付Aのページと比較してみてください。穴の空け方が違います。このため、ベンジンを注入する際に、点火芯が邪魔になるという大変に謎のモデルです。
本体に火口を装着したところ。どう見ても点火芯が邪魔ですし、ベンジン蒸気もこの穴から漏れそうな感じがとてもします。
今回2名の方から画像データを提供していただきました。ありがとうございました。ひき続き現物を探していますので(特に、上底3穴の初期モデル)、提供していただける方がいましたら能書きページのメールアドレスまでご連絡ください。
遅くなりましたが、画像を提供してくださいましためか様、ゼロ様、ありがとうございました。
比較的初期のパッケージです。 フタの孔雀の胴体には穴があり、「ハクキン」ロゴは彫ってあって片面にしかありません。 初期型火口がついています。 発売元はハクキンカイロ株式会社で、住所の番地が微妙に違います。(区画整理で番地が差し替わっただけで、場所は同じのようです) カイロ本体を入れているビニール袋の中に、新型はこういうふうに変わった、という内容の注意書きの札が入っています。 |
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上のものによく似ていますが、孔雀の胴体部分が浮彫になっています。「ハクキン」ロゴは両面になりました。 発売元はまだハクキンカイロ株式会社ですが、住所の番地が変わっています。 これ以前のモデルにあった、ビニール袋の中の注意書きの札はもうありません。 |
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ハクキンカイロ株式会社時代の最終期のものです。 この時代から大規模販売店が増えたのでしょう。箱が(コンビニやスーパーで売られる商品のように)ぶら下げられるようになっています。写真では見えませんが、箱の裏にはこの時代からバーコードがつくようになります。 |
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株式会社ハクキンになった最初期のモデルです。 上のハクキンカイロ株式会社のものとほとんど同じですが、箱や説明書や透明ビニール袋の社名が「株式会社ハクキン」になっています。チェックの柄付き袋がついています。 |
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1993年のパッケージです。70周年キャンペーンのシールと、キャンペーン応募はがきがついています。 箱が銀色になりました。何故か、上記のモデルとはバーコードが違います。 |
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末期モデルです。恐らく1994〜1996年頃のものです。シールとはがきがない以外、1993年ロットと同じに見えますが、よく見ると既に説明書に3Rマークがあります。箱のマークも3Rマークに変わっています。 このことから、3R発売前から3Rマークが使われていたこともわかります。 また、透明なので写真ではぜんぜん見えませんが、タンクに注意書きシールがついています。目をこらして見てください。(この写真だけ、シールが見えるようタンクを表裏逆にして撮影しています。そのため、写真には点火芯が写っていません) |
以上がだいたいのモデルの変遷ですが、ハクキンカイロらしく、新旧ロットの特徴の混じったものが数多く存在します。
具体的には、パッケージは初期の孔雀の胴体が穴になっている絵なのに、中身は胴体は浮彫で、説明書は初期の横長のものなのにもかかわらず、住所は現在と同じ、という中間型を確認しています。
恐らく、探せばもっと細かい中間型はたくさん見つかると思います。
火口や火口のパッケージも時代により変わっています。
恐らく、左から古い順だと思うのですが、確信はありません。
上の段は2個入りパッケージ時代のもの、下の長方形の箱になってからは1個入りです。「2個入り」の表示が分かるよう、上段のものはわざと箱のフタを開いた状態で撮影しています。実際には上段のものの箱はほぼ正方形です。
左上のものは火口そのものも初期型のものが入っています。2番目のものは、パッケージの絵は初期型ですが、中身は後期型になっています。ただ、この時代はまだ「ハクキン」ロゴは右側についていたようです。
3番目と4番目はパッケージの絵も後期型になっています(ただし、パッケージのほうは「ハクキン」ロゴが右のままですが)。4番目のものだけ、パッケージの「日米特許」の文字がありません。理由は不明です。
下段の左と真ん中のものは同じに見えますが、実は裏の発売元の会社名が違います。左は「ハクキンカイロ株式会社」、真ん中は「株式会社ハクキン」です。一番右のものは恐らく末期のもので、発売元ももちろん「株式会社ハクキン」です。下段のものにはすべてバーコードがありますが、何故か赤い箱と銀色の箱のもので番号が違います。
火口のパッケージの色づかいは、それぞれの時代の点火芯付Aのパッケージに合わせてあるのもわかります。
価格シールも資料と思いあえてはがさずに撮影しました。上段は2個入りですが、下段のものは1個入りなので、30年近くに渡る間に、価格も2倍になっていることも分かります。
27年間販売が続いたモデルですが、パッケージの変更や小改良は絶えることなく続いたことがわかります。
この機種の発売開始年は従来、1971年とされ、ハクキンカイロ公式サイトでもそのような記載がありますが、コレクターの方の調査により、正しい発売年は1969年であったことが判明しましたので訂正します。根拠文献としては「山と渓谷」1970年1月号などがあります。