コールマンポータブルイージーウォーマー(170-6793)にセキュリティホール発見!


このページで発見されたセキュリティホールは、2008年出荷モデル(170-6793)に存在しました。2009年モデル(170-6853、170-6852)では一部、対策が施されています。(後述)


2008年発売のコールマンポータブルイージーウォーマー 170-6793 (別名、コールマンポータブルイージーワーマー)に、セキュリティホールが発見されましたので紹介します。これは、「爪楊枝1本で、ウォーマーを動作不可能にさせる」というセキュリティホールです。また、これ以外にも設計上の問題と思われる不具合を発見しましたのでそちらも紹介します。

セキュリティホールは、バッテリーチューブに存在します。写真がバッテリーチューブです。黄色い丸の真ん中に、金属の突起が出ています。この部分がセキュリティホールです。
(※製造元のコールマンジャパンのサイトでは、丸い部分が黄色ではなく、赤っぽい製品の写真があります。ロット違いの製品があるかもしれませんのでご注意ください)

この金属部分を爪楊枝で押します。最後まで押し切ってから、爪楊枝をわずかに傾けます(方向はどちらでもよい)すると、この金属の突起が押し込まれたまま、出てこなくなります。戻すには、バッテリーチューブそのものを破壊する必要があります。

点火に必要なバッテリーチューブを動作不可能にさせることにより、以後、ウォーマー本体の点火が不可能になります。
このセキュリティホールは(本当に穴なんだからここ)、ばね1本でこの金属の突起を支えているにもかかわらず、そのばねを支えるものが何もない、というところに起因します。
サイト作者もいくつかのコールマン製品を持っていますが、こんな形で完全に使用不能に陥る製品にお目にかかったのははじめてです。どうせコールマン製品だから自分で直せばいいやと思ったら、バッテリーチューブを壊さないと直りませんでしたトホホ。


破壊してでも直したい(なんだか本末転倒ですが)という方は、バッテリーチューブ内部の、左の1.の矢印のところの長円形の金属パーツを無理矢理外してください。ここはのり付けになっているらしく、一度外すともうくっつきません。念のため。ただし、どうせまたセキュリティホールを押すとここは外さなければなりませんので、いつでも外れるようにしといたほうが無難かもしれません。外したあと、プラスチックのほぼ同型のパーツを外し、ばねと金属の突起を元の状態に戻し、この金属パーツをかぶせるといい加減な修理は完了です。


バッテリーチューブをうっかり動作不能にしてしまって修理できない方は、コールマンポータブルイージーウォーマー 170-6793のページで、同じように電池2本を使用する自作代用点火器を紹介していますのでごらんください。また、バッテリーチューブそのもののパーツとしての販売も始まりました。詳しくは上記リンク先をごらんください。


なお、この過程で、もう1つ、この製品の問題点を検出しました。それは、
「純正パッテリーチューブでは点火できない」というものです。
一体何故そんなことに? ということで、あちこちテスターで計っていたら、上記のセキュリティホールを発見したという次第です。

この問題点は、上記の写真の2.の部分にあります。ここに、電池の+端子をつけるための金具がついているのですが、その、+端子に接触させるための突起がわずかに小さすぎるのです。そのため、この部分で断線状態となり、どんなに頑張っても点火できません。
これは、電池との相性というのもあるかもしれませんが、サイト作者の使ったのは、三洋電機製の日本国内ではごく一般的なアルカリ乾電池です。
幸いなことに、この不具合はやはり爪楊枝で回避できます。

下の写真のように、金具と、黒いケースとの間に、爪楊枝を刺します。ケースのフタができなくなりますが、爪楊枝を折ることによってフタができるようになります。

爪楊枝を刺すところの拡大写真です。刺す場所は、「黒いケースと、金属部分の間」です。


なお、これら2点の問題点及びその対処法は、2008年10月1日現在、製造元からは公表されていません。

製造元の製品サイトはこちら

これらの問題点のほか、「そもそも、バッテリーチューブの電極がむきだし」というのは設計的にどうなんだ、っていうツッコミもありますが.... なんか、そのへんの小物入れにうっかり入れてショートする利用者が続出しそうな気がします。なお、ハクキンカイロやナショナルカイロは、そういうことが起きないように、点火器に電極をカバーするフタがついています。

(追記)
とか言っていたら、本当にバッテリーチューブをショートさせて溶かしちゃった方が遂に出現しましたので、送っていただいた画像を紹介します。(写真提供:まさとし氏)

参考のため、まさとし氏の文章の一部をそのまま転載します。

>無造作にかばんに入れていたため、電極が押されている状態になっていたらしく、
>気づいたときにはカバーが一部溶けて電極が可動しない状態になっていました。
>カバーが熱をもっていて危なかったので溶けた部分にカッターを当ててカバーを
>外し電池を外しました。熱かったです。
>電極部のスプリングが溶けたプラスチックカバーに食い込んでいました。


2009年9月頃から、マイナーチェンジモデルの「コールマンポータブルイージーウォーマー [BROWN]」、170-6853と、「コールマンポータブルイージーウォーマー [RED]」、170-6852の出荷が始まりました。
パッケージ等は2008年モデルとほぼ同じです。ただし、本体とカバーの色が、[BROWN]はブラウン、[RED]はレッドになっています。
バッテリーチューブのセキュリティホールには一部対策が施されており、真ん中の突起がめりこんで元に戻らなくなるという点が改良されています。しかし、サイト作者が見たところ、バッテリーチューブに電池をいれっぱなしにしてうっかりショートさせると発熱して危険そう、という点には改良が加えられていないようです。(2009.9.27)

写真は2009年モデルに附属のバッテリーチューブです。
よくよく見ると、右側の金属製パーツがずいぶん頑丈になっている上に、形(特に真ん中)が変わっています。
ちなみに表の丸い部分の樹脂の色はまさとし氏の持っているものと同じ赤でした。コールマンのカタログでは2008年モデルの頃から赤だったので、ひょっとするとサイト作者の黄色モデルは特殊なロットだったのかもしれません。(話が脱線)


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