点火芯付A

正式名はハクキンカイロ点火芯付Aです。
1969〜1997年に販売されていたモデルで、すでに終売ですが、町の薬局とかで「ハクキンカイロくれ」というと、今でもごく当然のようにこの点火芯付Aが出てくる、という状況もあるようです。
ごく最近まで現行機種であったのと、発売期間が最も長いモデルであったことから、記憶している方、使っている方も多いと思います。
現行のSTANDARD用交換部品がすべて使用可能です。HAKKIN換火口も使えます。ベンジンカップ2杯(25ml)で24時間保温モデルです。

形状等の微妙に違う初期型が存在します。こちらをごらんください


1984年購入の本体と袋です。このモデルまでは袋は布製で「別珍袋」といいました。袋の色は出荷時期によりかなり異なるらしく、柄付き袋はハクキンカイロの長い歴史の中でも比較的珍しいようです。(追記:これは、「柄付き袋は、1980年代の点火芯付A用袋だけ」で、他のモデル(青函や赤函や3R)には柄付き袋のものはない、という意味です。出荷数はかなり多く、モノとして少ないという意味ではありません)
(追記)2006年から、レギュラーモデルの袋が一時期再び柄付きになりました。ので、唯一の柄付き袋モデルではなくなりました。
ベンジンカップは残念ながら紛失しましたが、3R用と同じで色が青いものが付属していました。
フタの穴の形や大きさは、初期の3Rと同じです。強いてあげれば、「ハクキン」のロゴがまだカタカナなのが違います。また点火チェック用インジケーターはついていません。(追記:その後、3Rがマイナーチェンジしたので、フタの模様は現行3Rとは少し異なっています)


これがその青いカップです。大きさ、刻印は現在のカップと完璧に同じです。


火口部分の拡大図です。この、火口部分が点火芯付Aの最大の特徴です。真ん中から出ているのは点火芯です。ここに火をつけてカイロに着火するしくみです。


点火するときは写真のように点火芯に火をつけ、5〜7秒そのままにしてから、火を吹き消さずにそのままフタをします。


火口を上下逆にしたところと、カイロ本体のクチの部分です。
当時のモデルはこのように、火口の裏側には触媒がむき出しでついていました。小さな金網のようなもので押さえています。
もっと特徴があるのが本体のクチです。点火芯をつけるために切れ込みが入っているのが分かります。今回は切れ込みが分かるよう、あえて点火芯は外して撮影しました。また、点火芯を付けるため、クチのこの部分だけが薄くなっているのも分かります。初期の3Rには、クチのこの部分が薄い製品がありますが、それは点火芯付A用を製造していた機材で3Rを作ったためではないかと推測されます。

※使用方法については、機種編の点火芯付Aのページもごらんください。


この機種の発売開始年は従来、1971年とされ、ハクキンカイロ公式サイトでもそのような記載がありますが、コレクターの方の調査により、正しい発売年は1969年であったことが判明しましたので訂正します。根拠文献としては「山と渓谷」1970年1月号などがあります。

※ただし、初期型は火口形状等に若干違いがあります。


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