基本編

ここでは、ごくスタンダードなモデルを元に使い方を説明します。これ以外の機種の場合も、買わなければならない換えパーツが少し違うだけで使い方は同じです。(ハクキンカイロは「永久使用」が売りで、旧型機でも本社通販で消耗パーツを入手することができます)
※形状やフタの穴の開き方や火口の形状や刻印やカップの色や袋の素材や袋の文字は時代によりまたロットにより異なります。

パーツの名称と働き

1.フタ→穴を通じて反応に必要な酸素が供給される。また、反応で生じた二酸化炭素と水蒸気も放出される。
2.火口→白金触媒が入っており、燃料のベンジンがここでゆっくり反応し、熱が出る(ここが一番熱い)。
3.本体(タンク)→中に綿が入っており、燃料タンクになっている
4.ベンジンカップ→燃料のベンジンを計る
5.フリース袋→本体のカバー

火口は出荷時期により形状が異なります。バーナーとも呼ばれます。
ベンジンカップは燃料カップ、注油カップ、定量器とも呼ばれます。
袋は、モデルによっては材質や形が違うものがあります。

ハクキンカイロ購入時に箱の中に入っているパーツは上の写真のとおりです。大きさ(フタをしたときの大きさが約68×101mm)と形状がだいたい同じ機種なら、ハクキンカイロSTANDARD用の換えパーツが使えます。古い機種等をご利用の場合、事前に鑑定編で適合する換えパーツや注意事項を調べておきましょう。

中古品でパーツが揃っていないときは、取扱店やハクキンカイロのホームページ通販で入手することができますが、ベンジンカップは化粧水入れなどで、フリース袋は軍手や靴下や伝線したストッキングで代用できます。
ただし、消耗パーツの火口だけはどう頑張っても代用品がありません。古いものはここがだめになっていることが多いので、燃料(後述)を買うときについでに購入しておいてください。扱い店などの情報は、購入編ページにあります。


ハクキンカイロは使い捨てカイロと違い、本体だけでは使えません。燃料と火をつける道具が必要です。火をつける道具はマッチでもライターでも何でもかまいません。
右の写真はハクキンカイロ推奨燃料です。左からハクキンカイロ指定エビスベンジン、ハクキンカイロ指定NTベンジン、Zippoオイル、ホワイトガソリン(2種)です。他社製でも「カイロ用」と書いてあるベンジンは使えますが、染み抜き用のものは使えません。
自動車用ガソリンは使えません。使えるのは「ホワイト」ガソリンです。注意してください。
※右端のホワイトガソリン2種は、単に「ホワイトガソリン」の説明のために提示しているだけで、このメーカーの製品がハクキンカイロ推奨品というわけではありません。

使うときはタンクから火口を外し、かわりにベンジンカップをつけます。そして、ベンジンを注ぎます。
ベンジンカップの容量は、上の線までで12.5ml(12時間分)、下の線までが6mlです。ベンジンは、カップ2杯、25ml(24時間分)まで入れることができます。使いたい量だけ入れられるのも、ハクキンカイロの特長の1つです。

ゆっくりと90度ひねると下にベンジンが流れ、注油できます。
ベンジンカップを紛失しているときは、化粧水入れなどで代用してください。マンナンライフの蒟蒻畑の容器が約22mlなのでそれでも代替できます。
注油の際、ベンジンをこぼしたり、カイロカイロの外側についたりすると、着火の際一瞬燃え上がったりしてちょっと危険です。着火前にティッシュなどでふきとっておきましょう。
新品のうちは、いきなり90度ひねらず、30度くらいひねって数秒待ち、中の綿にベンジンをなじませるようにします。

ベンジンを入れたあとは、カップの上でタンクを逆さにしてタンクの中央部分を指で押し、余分なベンジンを搾り出します。通常は絞っても何も出てきませんが、立ち消えなどで前回の燃料がタンクに残っている場合があるので、この操作は省略しないでください。行わないと、余ったベンジンが点火時に燃えだしたり、使用中に立ち消えしたりなど、事故や故障の原因になります。
余りベンジンは点火前に元の容器に戻しておくなどしておきます。

ここまでできたら点火しますが、その前に燃料のベンジン等の容器はキャップを閉め、ベンジンを吸ったティッシュ等も引火しないように水に浸けるなどの処理しておきます。ベンジンの主成分はガソリンと同じで、引火すると爆発的に燃え上がり火災の危険があるということを念頭に、気を抜かずに厳重に処理をしてから点火してください。

ベンジンカップを外して火口をつけ直し、火口の中央、くぼんでいるところに数秒間火を近づけます。そうすると火口内部で反応が始まります。点火はマッチだけでなく、ライターなどでもできます。
長時間火を近づけると逆に火口が劣化します。
カイロを逆さにして点火すると、火口にススがついて劣化しますのでやめましょう。
点火時、火口やタンクが水やベンジンで濡れていると、事故や故障の原因になりますので、乾かしてから点火します。
マッチの頭や軸が火口のモコモコしている部分(触媒部)に触れないようにしてください。

点火後、フタの端を火口に当てると、写真のように蒸気でフタがくもりますので、これで点火成功しているかどうかが分かります。ここでふたをして袋に入れれば、30分くらいでかなり暖かくなります。使い捨てカイロと違い、最初からすぐには暖かくなりません。また、袋から出したり入れたりすると立ち消えすることがあります。ただしいったん反応が始まれば、発熱量は桁違いです(実際、使い捨ての13倍の熱量が出ます)。
古いカイロなどは全く暖まらないことがあります。この場合、火口の寿命です。ハクキンカイロの通販か取扱店で、新しい火口を入手してください。
適合する火口のはずなのに、うまくつかなかったり、すぐ外れてしまうことがあります。この場合の対策方法はこちら

点火前 点火後

点火時に写真のように火口に火がつくのは、燃料の入れすぎか、火口がベンジンで湿っていたときです。これは大変に悪い例です。こうなった場合、その火口はその1回だけでたいていだめになりますので、換火口を買ってください。もっとも、その前に火を安全に消すのをお忘れなく。

※火口の中央部がほのかに赤くなり、タバコの火のように炎を出さずに熱を出しているのは正常な状態です。(周囲が明るいと、赤い光は見えないことがあります)

カイロを逆さにして点火すると、火口が劣化しますのでやめましょう。

(※点火後、発熱中に向きを変えるのは問題ありません)


しばらく使用しないときは、数日間陰干しするなどしてタンク内に残ったベンジンを揮発させてから、ビニール袋等に入れて保存します。こうしておかないと火口にホコリがついて痛む原因になります。


私がいつも使っているハクキンカイロ7つ道具を紹介します。
左から、ハクキンカイロとフリース袋、Zippoライターオイル缶、100円ショップのアロマオイル、同じく100円ショップの化粧水入れ、オイルライター、背面にあるのが、ハクキン純正オプションのハクキンベルトです。

ハクキンカイロ 7つ道具

オイル缶は、中身のオイルをカイロに使うこともできる上に、空になった缶にはベンジンを詰め替えて持ち歩くのにも使えます。(実際に詰め替えるときはこちらの注意を見てやってください)
アロマオイルは、ベンジンのにおいを消すのに使います。袋につけて使います。
化粧水入れは印をつけてベンジンカップの代わりに燃料を計ったり、1日分の燃料を入れて携帯するのに使います。見やすいよう、マジックで印をつけてますが、実際にこうやるとベンジンでかすれて消えてしまうので、カッターナイフなどで軽く筋をつけています。ただし、このような化粧水入れは燃料の長期間保存には向きません。燃料を入れたら必ず数日中に使い切るようにしましょう。
火をつけるのはオイルライターを使っています。これは、燃料をカイロと兼用できるからです。
ハクキンベルトですが、これを使って腹や腰のあたりにカイロがくるようにすると、暖かさが段違いです。ちょっと高いのですが、ぜひそろえたいオプションです。他社製のカイロベルトも使用可能です。ほかにも古いストッキングなどを活用してベルト代わりにしている方もいるようです。


念のため注意編をごらんになってから、楽しいハクキンカイロ生活を送ってください。

ここまで読んで、ハクキンカイロが欲しくなった方は購入編

もっと活用したい人は活用編に。

うまく使えない!というときは、メンテナンスウィザードへ。


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