フタの穴をふさぐ方法以外に、タンクのクチにアルミ箔をはさんで火力を調節する方法もあります。
ゲストブックで紹介していただいたのですが、数年前からやっていらっしゃる方がいるようです。
やり方は似ていますが注意点などがかなり違うので別々に紹介します。
この方法は、ハクキンカイロ株式会社非公認です。当サイトも、こちらの方法は、さまざまな理由からおすすめしません。理由は後述します。ハクキンカイロ公認の、耐熱テープでフタの一部を覆う方法をおすすめします。
こちらは、アルミ箔でタンクのクチにフタをし、火口の裏にある穴とほぼ同一の大きさの穴を開ける方法です。
この方法だと、火口の、金具の継ぎ目部分から漏れるベンジンが減り、持続時間が長くなり、においが減ることが期待できます。
ただ、実際に実験してみると、それ以外の条件の変動が激しすぎ、本当にそうなっているのかどうかを確認するのは困難でした。
アルミ箔の穴を小さくしすぎると、火口の特定の部分にだけベンジン蒸気が当たり、従って、火口の特定の部分だけ劣化が早く進む可能性があります。この方式ではアルミ箔の穴は小さくしすぎないほうがよいようです。
サイト作者は中蓋方式と呼んでいます。
この方式だと、ハクキンカイロ純正カップがつけられなくなるので、他の注油方法を考える必要があります。こはるカップ、BMカップ、Zippo Handy
warmer用があれば使えるでしょう。
サイト作者としては、火口の裏側にアルミテープを貼って穴をあけるほうがよいように思えます。(その場合、ベンジンカップは純正のものが使えます)ただその場合、アルミテープは耐熱タイプのものを使う必要があります。サイト作者は耐熱アルミテープは持っていないのでまだやっていません。
そしてこちらは、アルミ箔をタンクのクチの中に折りこむようにする方法です。ネットで検索をかけると、何人かやっていらっしゃる方がいました。どの方が始めたのかは分かりません。サイト作者はこちらのブログを参考にしました。
サイト作者はこの方法を落とし蓋方式と読んでいます。
ハクキンカイロ純正ベンジンカップは使えないことはなさそうですがかなり難しそうです。
アルミ箔は左右のいずれかを少しだけ開けておきます。
こうすることにより、ベンジンの蒸発を押さえ、火力を下げる代わりに長時間利用することができるようになる、ということが期待できます。ただ、どの程度効果があるのかは詳しく実験してみないと分かりません。
この方法だと、アルミ箔を折りこんでしまうため、火口の金具の間からベンジンが出て行くことを防ぐことはできません。しかし、ベンジンは火口全体に当たりますから、火口の劣化が部分によって激しく変わるという心配はあまりしなくてよいでしょう。もっとも、露出部分の真上とかは劣化が早く進みそうな気もしますが。
この方法の利点は、アルミ箔に穴を開ける手間もなく、調整も楽だということです。ただ、ベンジンの漏れを防ぐことはこの方法では困難です。
ただ、この方式も、あまり火力を絞りすぎると、立ち消えしやすくなります。実際にやっている方のレポートを見ても、立ち消えが多くなったという話が出ています。何度も立ち消えが続くと、タンクに燃料の重質成分がどんどんたまっていって綿が痛む可能性があります。
この方法は、たとえば、バイクに乗るときで、標準の状態だと火力が強すぎる、というような場合に有効そうです。
このように、この2つのアルミ箔の使用方法は、一見似ているようでやっていることも注意点もそして効果も大きく違います。
このほか、これらのアルミ箔の蓋の穴の開け方を変える、具体的には楊枝などでいくつもの穴を開ける、などやっている方もいらっしゃるようです。
最後に、当サイトでこちらの方法での火力調節をおすすめしない理由を記します。
第一に、調節するタンクのクチの部分が狭く、微妙な調整が難しいこと。
第二に、純正ベンジンカップの利用が困難になること。
第三に、ハクキンカイロ公式が、フタに耐熱テープを貼る方法のほうをおすすめしていて、こちらの方法は特に勧めていないこと。
第四に、アルミ箔に耐久性がなく、数度ごとに同じ作業を繰り返す必要があること。
第五に、アルミニウムはなんだかんだいって一応は可燃物であること。
などです。
火力調節とは別の話になりますが、注油後にクチをアルミ箔で完全に覆っておけば、登山などで注油後しばらくしてから点火したい、というようなときに便利です。サイト作者は今までそういうときはジップロックなどを使っていましたが、それよりは揮発を押さえられますし、ジップロックよりはかさばらなくて済みます。当サイト作者が実験したところ、この方法で冷たいところにカイロを置いておけば、2週間くらいはベンジンがほぼ揮発せずに残っていました。ただし、この方法もハクキンカイロは推奨していません。注油したまま忘れたときなど、次の回に注油のしすぎにつながったり、カイロ内に揮発しにくい成分が残って点火不良等を起こす可能性もありますので、この方法を使うのは自己責任で行ってください。