ナショナルカイロ(黄金カイロ)編

松下電器産業から発売されていたベンジン式カイロです。既に終売のモデルです。使えるものなら使ってみたいが使い方がわからないという方のために紹介します。一部のパーツがない場合の代替品の紹介はこちら
なおこの製品はハクキンカイロとは何の関係もありません。発売されていた頃は、ハクキンカイロと壮絶な販売合戦が行われたそうです。
詳しい機種の紹介などは、資料編のナショナルカイロのページをごらんください。


下に載せたのがナショナルカイロのパーツです。どれかが足りないときには別のもので代用することになります。なお、ナショナルカイロには大きく分けて「標準」「ミニ」「うす型」の3タイプがあり、ベンジン容量や持ち時間が違います。
パーツが揃っているときはこちら
どれかが足りないときはこちら

なお、パーツの名前は左上から順に、
袋、点火器、燃料カップ、
フタ、タンク、火口。
です。


カップを写真のようにセットし、燃料をいれます。標準型は添付カップ半分で12時間、1杯で24時間持ちます。注油後、タンクを傾けると注油が完了するしくみです。ベンジンはハクキンベンジンやZippoオイルなど、ハクキンカイロと同じものが使えます。ナショナルカイロ指定燃料のタカビシ化学製「NTベンジン」は現在でも入手可能です。

カップを外し、火口をセットします。セットするとき、火口の▲印とタンクの▼印(写真の黄色い矢印)が互いに向き合うようにします。

点火器の中に単三電池を入れ、上の写真の赤い丸い丸の部分に点火器の突起部分をつけます。そして、数秒間ぎゅっと押し付けます。点火後、点火器はフタをして保管します。

点火器の尻についている黄色い点火チェッカーを、火口の▲印のそばの穴に入れます。

点火チェッカーが写真のようにオレンジ色になったら点火成功です。

フタをして、袋に入れて使います。



パーツ代用編

パーツがそろっていないときには、ほかのもので代用することになります。
袋は、左のような巾着袋や靴下で。
点火器は、ハクキンカイロプラチナム用かアルミ箔で、
燃料カップは、ハクキンカイロBM用かハクキンカイロこはる用で代用します。

写真の巾着袋は100円ショップダイソーで購入しました。
燃料カップはBM用です。
この点火器は市販はされていますが、これだけ買おうとしても高いので、後述のアルミ箔で代用する方式のほうが楽でしょう。


代用カップの場合、写真のようにカイロ本体を立てて注油します。ナショナル純正カップは、タンクの全体にまんべんなくベンジンが回るよう工夫されているのですが、図のようにハクキンカイロ用で代用すると下部にばかりベンジンがたまってしまいます。半分入れたらカイロの上下を逆にしてベンジンをなじませ、残りを注油するなど、ベンジンが特定の場所にたまらないように注油してください。

なお、ナショナルカイロ(黄金カイロ)は、大きく分けて3種類のモデルがあり、燃料タンクの容量がみな違います。
直径8.3cmが標準型,7.6cmが薄型,5.8cmがミニで、入れられるベンジンの量は順に16ml,8ml,6.5ml。持ち時間は順に24時間,15時間,12時間です。
BM用ベンジンカップの容量は18mlなので、写真の標準型だとこのカップに1杯弱入れることになります。
燃料を入れすぎると着火不良が頻発するので、入れすぎには注意してください。


ハクキンカイロプラチナム用点火器での点火の様子です。

燃料を入れたあと、火口をセットし、本体(タンク)の▼印と火口の▲印を合わせるところは、ナショナル専用点火器のときと同じです。火口の丸い部分に電池の+極を合わせ、点火器を火口にぎゅっと数秒押し付けて離します。
ナショナル専用点火器と違い、点火チェッカーがないので、15秒程度してから火口に鼻を近づけてみてください。(ただし火口に鼻を触れないこと)もわっという熱気が伝わってきたら点火に成功しています。
点火後、点火器はフタをして保管してください。

ただし、ハクキンカイロプラチナム用点火器はナショナルカイロに使われることを想定してありません。本体が紙製なので、何度も点火するうちに写真のように点火器に切れ込みが入ってしまいます。それに、点火するためだけのために高いプラチナム火口セットを買うのももったいないので、アルミ箔で点火を試みてみました。


アルミ箔をよじって電線のかわりにします。火口の○印のところに電池の+極をつけ、−極と火口の一部にアルミ箔を数秒接触させてすぐ離します。これで無事に着火に成功しました。アルミ箔以外にも、事務用のクリップなどでも代用できます。

とはいっても、こんなすぐだめになるもので毎日代用しているわけにもいかない、という方もいらっしゃると思います。東芝のペンライトP-513とアルミ箔で作ったもうちょっと長持ちしそうな代用点火器もつくってみました。工夫編で紹介していますのでごらんください。ただ、何故か10秒くらい押していないと点火できませんでした。あと、単4電池の機種なので、電池もすぐなくなってしまうかもしれません。


実は、火口だけはどう頑張っても代用品がありません。だめになったら火口の触媒部分(写真の矢印のモコモコしている部分)をハクキンカイロPEACOCK火口のものに交換するとうまくいくそうですが、点火用の電熱線を傷つけないように交換するのはかなり困難だと思います。特に、黄金カイロという製品名だった時代の火口は触媒部分が分厚く、移植もかなり困難です。


(追記)
2008年に、コールマンジャパンから発売された、コールマンポータブルイージーウォーマー用の火口が、何故か、ナショナルカイロ標準型の火口とほぼ形状互換です。ただ、本当にナショナルカイロにこの火口を使おうとすると細かい問題がいくつか生じます。詳細は、資料編のコールマンポータブルイージーウォーマーのページをごらんください。


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