(2024年追記)
市販のプラズマライター(アークライター)で、割と簡単に点火ができます。
左から、ファースト 電子式ライター FT-EL001BK、中央がマルエスのUSB充電式プラズマアークライターミニ、右が大きさの比較用のハクキンカイロ3Rです。なお、ライターは2つとも中国製です。USBケーブル(ともに付属)で充電して使います。
ファースト 電子式ライター FT-EL001BKはカインズ、ケイヨーなどで、マルエスのものはナフコや仏具店などで扱いがあります。(2024年現在)
この2つのライターで点火し続ける実験を行いましたが、火口が激しく損傷するようなことはなかったので、恐らくいけると思います。
着火する際、スイッチを入れる時間は0.2秒程度で十分です。あまり長時間スイッチを入れても、火口が損傷したりバッテリーがなくなったりするだけであまり意味がありません。
ファーストのものは一度の充電で40回点火することができ、300回繰り返し充電が可能ということになっていますが、一度の点火で7秒間スイッチを入れている計算になっているので、カイロの充電のみに使うのであれば一度充電すればそのシーズン中はほぼ再充電する必要はありませんでした。ハクキンカイロの点火だけに使っている限り、バッテリーの寿命より製品寿命のほうが先に来ると思われます。
マルエスのものは1度の充電で5秒点火を50回行うことができ、200回充電ができます。
なお、プラズマライターだと点火に失敗することがあります。(ガスライターでは点火できるけどプラズマライターでは点火できないという状況が生じます)特に、カイロが冷え切っていると点火に失敗しました。
その場合の対処法は3つあります。
(1) 手で温める程度でいいので本体を少し温める。
(2) ホワイトガソリンなど、揮発しやすい成分を含む燃料を少し加える。
(3) 点火時間を長くする。具体的にはライターの点火スイッチをONにする時間を0.2秒ではなく3〜4秒にする。
どの方法にもデメリットがあります。(1)は時間が少しかかる、(2)は事前準備が必要。また、においが強くなったりすることがある、(3)は火口の寿命が短くなる可能性があり、ひんぱんにライターの充電が必要になる。
この手のプラズマライター(アークライター)は、通販サイトでは膨大な種類が売っていますが、リチウムイオン電池が入っていて火を扱う製品なので、ホームセンターのように、ある程度アフターサービスが望める場所で購入するか、マルエスのようにそれなりに着火具の扱いに慣れたメーカーのものにしたほうがいいと(サイト作者は)考えます。
※2009年当時の情報です。この製品は最近(2024年)はあまり店頭で見かけません。後述しますが似たようなものは工作用品を扱っている店で売っていますが105円では手に入りません。参考程度にしてください。
市販されている商品を、何の改造もしないでそのままハクキンカイロの電池式点火装置に流用できることが判明しましたので紹介します。
しかも、BM以外の現行全機種(Zippo、マルカイも含め)が点火可能です。(※コールマンは不可)
さらに、この代用点火装置は価格がたったの105円(税込)、電池代を含めても315円です。
あとのほうで、自作点火器も紹介します。
ダイソー 単2乾電池式 発砲スチロールカッター 11cmという製品(発注用の製品名は「工作部材カッターNo.2」)です。100円ショップダイソーで入手しました(税込105円)。写真の下部に単2電池(別売り)が入ります。上の爪のようなところにニクロム線がついていて、左下にあるスイッチを押すとニクロム線が発熱して発泡スチロールが切れる、という製品です。
発泡スチロールが切れるくらいの発熱量なら、きっとハクキンカイロも点火できるに違いない、と思い、ニクロム線部分を火口に接触させてスイッチを5秒ほど入れたところ、見事に点火に成功しました。
コツとしては、ニクロム線をあまりぎゅっと押しつけずに、軽く押す程度にしたほうがよいようです。
点火の様子です。
発砲スチロールカッターのニクロム線を図のように火口に当てて数秒間スイッチを入れます。
このとき、2の部分は押しつけていますが、1の部分は少し浮かせています。1も2もぎゅっと押しつけると、電気が火口の金属部分を迂回して通過してしまい、肝心のニクロム線を通らなくなりますので、点火に失敗する可能性があります。
この代用点火装置の非常に便利なところは、3R、PEACOCK、PEACOCK mini、GIANT、こはる、スポーツ用Sはもちろん、Zippo2002やZippo2003以降、マルカイハンディウォーマーminiでさえも点火できるという点です。(BMは点火できません)もっともサイト作者も全部は試していませんが多分うまくいくと思います。
ただし、BMも、Zippo2002火口を使えばこの方式で点火が可能だと思います。
唯一の弱点、点火器そのものが大きすぎる、という点を除けば、ほぼ全機種で使え、しかも安い、と、いいことづくめです。さらに、ダイソーでは換えニクロム線も売っていますので、ニクロム線が切れたときも自力で非常に簡単に修理が可能です。
なお、この、発砲スチロールカッターで点火するという方法は、メーカーの推奨する使用法ではありません。この方法を真似て何らかの問題や事故が発生しても、サイト作者は一切の責任を負いません。
マンガン電池だと、電池の減りが早く、数回で点火困難になります。電池は新品のアルカリ電池を使ってください。単三ニッケル水素電池(三洋エネループ)でも点火には成功しましたが、電池の形状が異なり、そもそも電池をきちんと電池ボックスにはめるところで苦労してしまいました。また、当サイトではニッケル水素電池を発熱回路に使用することはあまりおすすめしていません。実験される方は自己責任でどうぞ。
また、Zippoハンディウォーマー用バーナーでこの点火法を使うと、点火のたびごとに触媒部が少しずつけずれ、徐々に点火困難になり、かつ、発熱量も大幅に減少することが分かりました。
参考のために触媒部がけずれてしまったZippo用バーナー(火口)の写真です。
点火時にニクロム線をあてた部分では、茶色の触媒がけずれて、下の白い地の部分が出てしまっているのが分かります。このバーナーを点火すると、右のように、触媒の残っている部分のみが赤熱していることも分かります。このバーナーは新品状態で(2009年10月4週から)5週間ほど、電池着火のテストで使用していました。
この方法で点火する際は、ニクロム線は触媒部に軽く接触させるだけで、ニクロム線で触媒部をこすったりしないようにし、さらに点火後はすぐに離すようにしないと、逆に火口の劣化が早まります。強く押しつけると、無意識的にノコギリのように触媒部をこすっていることがあるので注意しましょう。
サイト作者の実験ではハクキンカイロ用火口はZippoのものよりはけずれにくいようです。(同時期に新品火口で電池着火を開始して比べていますが、まだ火口が劣化しているという実感はありません)が、強く押しつけて数秒以上過熱すると、ガラス繊維が溶けたりしてやっぱり劣化の原因になりそうなので、いずれにしてもこの方法で着火するときは素早く行ったほうがよいでしょう。
(追記)
その後も、Zippoのほうは新火口に換えて、触媒部をこすらないように点火するよう心がけていてみましたが、やはりどうしても少しずつけずれてしまいます。ただ、気をつければ1ヶ月半くらいは使い続けることができています。一方、ハクキンカイロの火口はあまり劣化しません。2009年現在の情報ですが、この点火方式はZippoのものにはあまり向かないようです。サイト作者は使っていませんが、マルカイminiも恐らく同じようになると思います。
2009年9月30日、PEACOCK PLATINUMとPLATINUM火口が製造停止になることが発表されました。在庫が終売になると、純正パーツでは電池点火ができなくなってしまいます。
しかし、子供にとって便利かつ安全で火口を痛めにくい点火方法がなくなるのは実に惜しい、といろいろ考えながら100円ショップをうろうろしていたところでこの製品を見つけたという次第です。
近くの100円ショップでは扱っていない! という場合は、価格は高くなりますが模型店などで他社製の電池式カッターを売っているようです。太洋電機産業SC-2(税込714円)SC-5(税込3740円)、SC-10(税込4180円)、白光スチロールカッターなどの製品がありますが、当サイト作者は試用していません。(2024年修正)
発砲スチロールカッターでは、へたりかけた火口は点火しくくいことがあります。また、前述のとおり、うまく素早く点火しないと、火口が逆に劣化します。そこで、自作代用点火器を作ってみました。
そこで、やっぱり自作代用点火器がまたしても登場です。
スイッチ付きの単3電池×2本電池ボックスに、100V-100Wのニクロム線をちょっと切ってよじってつけただけです。
どちらの材料も、一般的なホームセンターで手に入ります。
ちなみに、らせん部分は約10回巻き分くらいにしてみました。
本当は電圧や発熱量等をきちんと計算すべきなのでしょうが、試しに作ったもので計算はしていません。
アルカリ電池を2本入れてスイッチを入れ、らせん部分を火口の触媒部に2秒ほど軽く接触させたところ、点火に成功しました。
「ダイソーの発砲スチロールカッターでは点火しにくいが、ライターでは点火できる」くらいの微妙にへたった火口でもこちらの点火器なら点火に成功しました。
火口の劣化具合などを比べながら、どちらが有用なのかしばらく実験を続けてみたいと思います。
なお、同様の実験をする方は点火後はただちにスイッチをOFFにし、電池も外して保管してください。
この電池ボックスのスイッチは何かの拍子ですぐにONになってしまい、突然の発熱事故の原因となります。
そんなわけで、安全性の問題点からこちらの代用点火装置はサイト作者はあまり気にいってません....