正式な商品名はハクキンカイロ3Rです。既に終売のモデルです。2006年8月まで、ハクキンカイロのスタンダードモデルでした。現在のスタンダードモデルは、ハクキンカイロPEACOCKになっていますのでそちらもごらんください。
複数種類のロットがあり、中身が微妙に違いがあります。写真は2005年10月ロットのものです。
交換パーツはすべてSTANDARD用と同じです。
パッケージ
本体の大きさは68×101mm。クレジットカードよりふたまわりほど大きく、手でちょうどにぎれるくらいです。右下の付属ベンジンカップ2杯(25ml)のベンジンで24時間保温のスタンダードモデルです。
他機種と違い、消耗品類の入手が比較的簡単で、火口のほか、ベンジンカップや袋などの消耗品も在庫している小売店が多いです。
当サイトの基本編では、このモデルを基準に使い方を説明しています。使用方法等はそちらをごらんください。
なお、ハクキンカイロプラチナム火口セットを買うと、3Rプラチナム同等の性能になり、乾電池点火もできるようになりました。(既に終売)
これまでのロット品をお使いの方にとっては、かなり変更点が多いロットであることがおわかりになるかと思います。実は、袋以外は全部海外向けのPEACOCK#Sとまったく同じになっています。公式サイト上で、3RとPEACOCK#Sを統合するというアナウンスがありましたが、そのとおりになっています。フタの穴が多いので、これまでのロット品よりは若干高温になります。
説明書もPEACOCK#S用になっていて、袋にヒモがついていることになっていたり、(もとのPEACOCK#Sにはそういう袋がついていました)、点火チェック用インジケーターがついていることになっていたりします(これは、廃止した旨の断り書きが別についています)。説明書内の消耗品の価格が旧定価なのでそこはマジックで塗りつぶしてあります。
このほかの細かい変更については、この先のロット違いの紹介の節で紹介します。
販売期間が(ハクキンカイロ製品の中では)そんなに長くなくてたったの8年です。8年も大幅モデルチェンジしていないのか!と驚く方もいらっしゃるかもしれませんが、その前のモデルは20年間モデルチェンジがありませんでした。ハクキンカイロはそういう会社です。
その「たった」8年の間に、怒濤のごとく大量のマイナーチェンジが行われているので、ざっと簡単にそれらをご紹介いたします。
左の俵のような丸っこいパッケージが、1997年に新発売されたときのパッケージです。その後、恐らく2000年頃に、箱は右の四角いものに変わりました。換火口のパッケージも当初は本体と同じように俵型だったのですが、やはり後に四角いものに変わっています。
変わった理由はよくわかりませんが、商品そのものが見えるパッケージのほうがいいとか、俵型だと箱詰めにしにくいとかそんな理由じゃないかと思います。また、姉妹機のハクキンカイロ3Rプラチナムが2000年に新発売になっているのですが、この機種のパッケージは最初から四角いのでそれに合わせたというのもあるでしょう。
最初期のパッケージのほうが巨大なのもわかります。また当時は換火口に「BURNER」と書いてあったのもわかります。
3R初期版のパッケージ内容です。
現行モデルと大きく違うのは、フタのロゴがカタカナの「ハクキン」になっていて、浮彫になっていることです。フリース袋も現行品とは文字が違い、タグの位置も異なっています。(現行品は上についています)
恐らく2000年頃に、フタに点火チェック用のインジケーター(後述)がつきます。ただ、このインジケーターはあまり役に立たない上に、数回使うとだめになってしまって評判が悪かったです。サイト作者のものもインジケーター自体がはがれてもうありません。そもそも、インジケーターを使わなくても点火確認はできるのであまり必要ありませんでした。
2004年12月から2005年9月頃まで出荷されたロット品です。
かなり大きな変更がされています。
具体的には
(1) 孔雀の胴体部分も穴になって、PEACOCK#Sとほぼ同じになった。
(2) 着火性が上がったことを理由に、インジケーターが廃止された。
(3) MADE IN JAPAN刻印がなくなった。
(4) フリース袋は何故かHAKKIN。
です。説明書にはインジケーターがあるように書いてあるので、「インジケーターは廃止した」という断り書きがついています。
本体HAKUKINロゴは、2003年モデルと同じに見えますが、2003年モデルは裏は「MADE
IN JAPAN」ロゴなのに対して、2004年12月モデルは裏も「HAKUKIN」ロゴです。
当サイト作者の手元の製品やその他の情報を合わせると、だいたい、こんな感じでロット変更があったと推測されます。
ロット | 箱 | 説明書 | フタ刻印 | フタ 孔雀胴体 |
インジケーター | タンク クチ | 袋タグ | 袋ロゴ | 火口刻印 | 火口裏切り欠き |
1997頃 | 俵型 | 緑色 | 両面「ハクキン」 浮彫 |
浮彫 | なし | 中央が薄い | 左 | HAKUKIN | ハクキン | なし |
2002頃 | 箱型 「マイナスイオン」シールあり |
オレンジ色 | 両面「ハクキン」 浮彫 |
浮彫 | あり | 均一 | 上 | HAKUKIN | HAKUKIN | あり |
2003頃 | 箱型 「マイナスイオン」表示なし |
オレンジ色 | 片面「HAKUKIN」 片面「MADE IN JAPAN」 彫り |
浮彫 | あり | 均一 | 上 | HAKKIN | HAKUKIN | あり |
2004年12月 | 箱型 「マイナスイオン」表示なし |
オレンジ色 | 両面「HAKUKIN」 彫り |
穴 | なし | 均一 | 上 | HAKKIN | HAKUKIN | あり |
2005年10月 | 箱型 「マイナスイオン」表示なし |
「PEACOCK」 白黒 |
片面「PEACOCK」 彫り |
穴 | なし | 均一 | 上 | HAKKIN | PEACOCK JAPAN |
あり |
2005年12月 | 箱型 「マイナスイオン」表示なし |
「PEACOCK」 白黒 |
両面「HAKUKIN」 彫り |
穴 | なし | 均一 | 上 | HAKKIN | PEACOCK JAPAN |
あり |
2006年2月 | 箱型 「マイナスイオン」表示なし |
「3R」白黒 | 片面「PEACOCK」 彫り |
穴 | なし | 均一 | 上 | HAKUKIN | PEACOCK | あり※ |
※2006年2月ロットの火口は、ハクキンカイロPEACOCKのページで紹介した、空気穴の少ないものが既に採用されていました。
と、このような違いがあります、で終われば問題ないのですが、実は、ハクキンカイロは古い部品を全部使いきってから新しい部品を使いはじめるようになっていません。なので、これらの複数の要素が組み合わさった、複雑な亜種・変種がいっぱいあります。たとえば、フタは「HAKUKIN」ロゴでインジケーターはあるのに、タンクのクチの中央は薄く、しかも点火芯をつける穴も開いているというモデルも存在が報告されています。
特にフタのロゴは、2000年には「HAKUKIN」ロゴだけを作るように製造工程が切り替わっているようなのですが、しばらくはそれまでに作った「ハクキン」ロゴのものにインジケーターをつけて新しい箱に詰めて出荷していたようで、「ハクキン」ロゴでインジケーターありのものも存在します。
これまでの写真では分からない相違点を写真で説明いたします。
取扱説明書 左:緑(初期) 真ん中:オレンジ 右:PEACOCK(白黒) ※2006年2月ロットは、左のものを白黒にしたような感じのものですが、消耗品通販の案内ページなどがなくなって減ページになっています。 |
|
インジケーター 左:なし 右:あり |
|
タンクのクチ 左:中央が薄い 右:均一 |
|
火口裏切り欠き 左:あり 右:なし |
説明しきれなかった部分と作者の推測を記しておきます。
変更部のうち、袋の「HAKUKIN」ロゴのものはPET BOTTLEうんたらかんたらという文字や3Rマーク(3つの◎が合わさったマーク)がありますが、「HAKKIN」ロゴのものにはありません。当初サイト作者は、ペットボトル原料が何らかの事情で入手できず、ペットボトルでない原料をもとに作った袋にこの「HAKKIN」ロゴが例外的につけられるものだと推測していました。ただその後の出荷状況を見ると、2005年までにほぼ全量の袋が「HAKKIN」ロゴに切り替えられていることから、「ひょっとすると、文字数を減らして工程を削減するためでは?」という推測もしていました。ところが、3Rが終売になり、ハクキンカイロPEACOCKになると、パッケージにも「HAKKIN」の文字が復活しました。また、ハクキンベンジンも2002年まではなかった「HAKKIN」の文字が、2003年に登場していることや、「HAKKIN」ロゴのフリース袋の登場が2003年とみられるところから、ハクキンは2003年に、「HAKUKIN」から「HAKKIN」に再び表示を切り替え始めた、とみるのが逆に正解かもしれません。もっともその後も3R本体には「HAKUKIN」ロゴのものが出荷され続けていますが。
タンクのクチについて。初期のロットで中央部が薄かったのは、それ以前のレギュラーモデルのハクキンカイロ点火芯付Aを製造した設備でそのまま3Rを作ったためではないか、と推測されます。点火芯付Aでは、ここにヒモ(点火芯)をつけるための穴が開いていました。穴をあける都合上、ここを薄くする必要があったのですが、3R時代になると穴は必要ないため開けられなくなりましたが、製造設備はすぐには変更できず、薄さはそのまま残った、という推測です。
1.各モデルの比較 2.燃料及びオプション 3.非純正オプション 4.ナショナルカイロ 5.各モデル比較表
6.点火の様子 7.大正モデル 8.昭和初期モデル 9.ポケット暖 10.サンパッド
11.高温放熱型点火芯付 12.点火芯付A 13.こはる 14.コンパクト 15.ハクキンカイロA(赤函)
16.ハクキンカイロA(青函)
資料編ホームへ トップページに戻る